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2008.02.18

猫撫で草紙 その7

「猫撫で草紙」の主人公 たみちゃん
当時5歳だったので、今年で13歳かな?
元気でやってるかなあ?
Photo
たみちゃんは昔のこと忘れてしまったかもしれないけれど、
taramama はずーっと覚えているよ。こうしてブログに綴って思い出してるよー!

   そ
     れ
       で
         は
           第 
             7
               話
                 の
                   は
                     じ
                       ま
                         り
                           は
                             じ
                               ま
                                 り  
         


<猫撫で草紙 その7>


庭の百日紅が白い小さな花を次々に咲かせ、蝉の合唱大会が延々と続く中、

私たちは人間と猫の互いの領域を行き来しあい一歩一歩距離を縮めていく。

が、いくら努力したとて、すべてを共有する域には達しないだろう。猫は言葉を

発信しないし、挙動は不思議に満ちているし時には不審でさえある。

たとえば、散歩や買い物の行き帰りに出くわす際、塀の上で香箱坐りをしている

時の素っ気なさといったら無い。だいだいにおいて、

「お宅、どちらさまでしたっけ?」

という顔をされてしまう。

また、彼女と一対一でいるところに近所のおじさんが通りかかり、        

「おや、この猫はいい猫だねえ、アメショーが入ってるねえ」

などと言いながら近付いて来ると、持ち場を離れて所在無さげにうろうろし始め

る。その反対に、誰かとたみちゃんが一緒にいるところに通りかかった時も、バ

ツが悪そうな顔をしてその場を離れようとする。何かしらに気を使っている様子

がありありと伝わって来る。

他の人といちゃついているとやきもちを焼かれると思っているのか?

そもそも猫の辞書に「やきもちを焼く」はあるのか?

それとも猫だからこそ知っているのか?

その資質ゆえに「猫」なのか?


短くても長くても紐に反応することを知ったのは楽しい発見だった。夫が庭木の

剪定をした後、集めた枝をビニール紐で括りつけようとすると、暑さに耐えなが

らじっと夫の動きを眺めていた猫がその紐にじゃれ付き始め、跳ね上がったり

蹴飛ばしたりして異様に興奮しだした。いつまでもいつまでも飽きることなく紐

に突っかかって行く彼女を、こちらも二人して飽きることなく見物した。

なだらかな曲線を描くジャンプ、真剣な表情で、咥えた紐を獲物のようにいた

ぶる仕草、いたぶっていたぶりつくして満足したかのように地べたに背中をこすり

つけ、『ごろごろにゃーん』と愉しげに転げ廻るしなやかで量感のある一連の動き

を、蜃気楼の見えるほどの暑さの中でしばし観賞した。


たみちゃんは孤独だと思う時、孤独な私がいる。

たみちゃんは退屈していると思う時、私は退屈している。

猫を見ていると猫になりたくなる。

日がな一日寝そべっていたくなる。

好きな時に寝て好きなだけ眠って好きな時に起きるとしよう。

猫は猫で人間になりたがっているかもしれない。

人間の方が猫より自由で気ままに見えるかもしれない。

棚の奥や冷蔵庫から美味しいものを出してくる人間を魔法使いだと思っている

かもしれない。

猫が欠伸をするのを見て欠伸をする。

猫がお腹を見せて甘えて来れば、こっちもそっくりその真似をして、

「ごろにゃ~ん」と床に寝っ転がってみせる。

猫は私の顔の匂いを嗅ぎ廻りながら、「よしよし」と言う。

猫はもしかしたら私たち人間よりもずっとずっと大人であるのかもしれない。


人間が猫になりたがっている部分と猫が人間になりたがっている部分が交叉

して、お互いがお互いを動物同士だと認識する。


つづく

猫撫で草紙 その8へ

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Comments

たみちゃん、きつめのおめめがすてきですね。

猫は本当に他の動物に見られない不思議な資質を持った動物ですね、猫本来の独特なものかペットとして人間との関わりを長く持って進化してきた結果なのでしょうか、人間がペットとして利用しているのか、人間の弱点をうまく利用されているのか分かりません。

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