猫撫で草紙 その19
春ですね。桜も咲きました。2008年の桜。

「猫撫で草紙 その19」は7年前の2001年春のおはなしです。
そ
れ
で
は
つ
づ
き
を
は
じ
め
ま
す
<その19>
たみちゃんに関しても心配事があった。
炬燵で過ごした雪の日から、ほとんどの時間をリビングで寛ぐようになっていた
彼女は、時々ゲホゲホと咳き込み、毛玉を吐く。猫本によれば猫たちが毛玉を
吐くのはしょうがないことらしき記述があるけれど、彼女の場合はその回数が
頻繁なので病気も疑わざるを得ない。吐きそうになると外に出たがるので、
それに気づいた時は急いで窓を開ける。間に合わずにリビングの床に吐いてし
まった時は、何故か申し訳なさそうにそのまますごすごと退出した。
猫の癖して、そんなこと気にしなくてもいいのに……
そういえば最近、身体が大きくなったような気がする。実家でも食事している
訳だから、もしかしたら食べ過ぎで消化器系をやられているのかもしれない。
気候はだんだん春らしくなり大雪が降る事もなくなったが、朝昼晩といつでも
気の向いた時にやって来てソファーや炬燵で寛いで行く。用事を思い出したよ
うにすぐに出て行ってしまうこともあれば、十五時間もの時間、丸くなって眠
りこけてもいたりする……
という訳で、ネコ缶の次に新規購入したものはネコのトイレ用の砂だ。
これまたダンボール箱を細工して、たみちゃんが来た日にはトイレもセッティ
ングした。そして彼女は、炬燵に続いて「手作りトイレ」も何のためらいもなく
使いこなした。
春になっていた。
猫は、暖かくなれば戸外で日向ぼっこする方が快適なようで、わざわざトイレ
の用意までする必要も無かったかもしれない。
朝、夫の出勤時には必ず『寸足らずのレースが架かる窓』枠上の軒に駆け上が
り、夫を見送った後は尻尾をぶらぶらさせながら、幅二十センチにも足らない
その狭い場所で、朝食後の髭の手入れや毛繕いなんぞに勤しむ。ベランダで洗
濯物を干していると決まって足元にじゃれ付きにやってくるし、ガスレンジで
魚を焼き、換気扇を廻せば一目散に何処からか走って来て、おすそ分けを請う。
自転車で帰宅した夫が玄関に到着すると、それを「待ってました!」と言わん
ばかりにダッシュで駆け寄って来る。リビングでまったり寛ぐ時間は日に日に
短くなり、再び外猫生活に戻ったようだった。
そして、雨が降ってくれば、
「おばちゃーん、雨降ってきたよー」「中に入れて頂戴!」
と騒ぎまくり、網戸へばりつきジャンプを繰り返しまくり、ジャンプの高さは
その都度記録を更新していった。
木の芽時には毛艶も失せ、吐く事も多くて気がかりだったが、気温の上昇と共
に、猫はその快活さを取り戻していくようだった。
つづく
おまけ
3月も今日で終わり。明日から4月ですにゃ。
もうすぐ「猫撫で草紙」にたらも登場します。お楽しみに♪

モデル長期休暇中の斉藤たら(♀)
コラボニャンカレンダーはアイちゃんとちびちゃん








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